友人から投資を勧められたらどう対処する?(TKO木本さんの件から学ぶこと)
TKO木本さんの件
7月23日、松竹芸能所属のお笑いコンビ、TKOの木本 武宏さんが「投資トラブル」に関わったとして、松竹芸能を退社したことが公表されました。
この「投資トラブル」とは具体的に何なのか、現在さまざまな憶測が流れていますが、はっきりしたことは分かっていません。
松竹芸能の発表によると、そもそもTKO木本さんが加害者なのか、被害者なのかすら分からない状況とのことです。
(前略)7月初旬に個人的な投資活動に関しトラブルが発生しているのではないかという情報が弊社に届いた為、本人への事情聴取を重ねてまいりました。 結果、一部の情報は得られたものの、全容の把握には至りませんでした。
また、事情聴取と並行し、弊社も独自で情報収集を行ってきましたが、具体的にどういったトラブルが起きているのか、本人がご迷惑をお掛けしている側なのか、被害を受けている側なのか等の全容の把握には未だ至っておりません。
(松竹芸能ホームページより抜粋)
現在の過熱した報道やSNSにあふれる情報には、TKO木本さんが仲間をそそのかした「犯罪者」のように扱っているものもありますが、TKO木本さんは「被害者」かも知れない訳です。
その一方で、損害を被ったTKO木本さんの仲間の「事実」もはっきりしていません。
なぜ、その人達はよく分からないスキームに「投資」したのでしょうか。
投資に少しでも興味がある方は、むしろこちらの方が気になると思います。
それでは、私たちが仲間や友人から投資話を持ち掛けられたときに「二の舞」にならないためにはどうすればいいのでしょうか?
1.投資判断を「友人の人柄や性格」で決めない。
TKO木本さんの件では、実際に投資して損失を被った「仲間」として、平成ノブシコブシの吉村さんや、野生爆弾のくっきーなどが取り沙汰されています。
特に吉村さんは、1年ほど前からTVで「仮想通貨でほぼ全財産を失った」と(半ばネタのように)話していて、この件との関連が疑われています。
芸人同士の仲間意識やタテのつながりは強く、恩を受けた先輩芸人から投資を勧められれば、容易に断れないことでしょう。
仮に「恩」がなくても、投資と全く関係ないところで得られた信用、例えば「世話好き」だったり「飲み会に誘っても断らない」などが、投資に必要な「冷静な判断力」を鈍らせてしまったのかも知れません。
もし、私たちが仲の良い友人から投資を勧められたら、どう対処すべきでしょうか。
その際は、一呼吸おいて、友人の「人柄」、「恩」、「性格」などを脇において、勧める投資内容のみに集中することが大切です。
2.投資対象に関する内容以外の言葉に耳を傾けない。
「投資」とは詰まるところ、比較的安全な「預金、現金」を、時価が変動する商品に投じることです。
つまり、安全資産をわざわざ「リスク」に晒して収益を得るのですから、少しでも損失を避けるために多くの情報が必要になります。 それは、これまでどれだけ「儲かったか」だけに留まらず、
どのような要因が収益率に影響したのか。
価格が上下何%変動したのか。
マクロ要因(たとえば戦争や中央銀行の利上げ)が価格にどう影響したのか
1年、3年、5年とスパンを区切ったときのそれぞれの収益率とリスクは
などを総合的に考えて、初めて(遊び以上の)投資ができるものです。
これらを全て頭に入れて判断しようとすれば、友人の「誉め言葉」や「昔よしみ」の情緒が入る余地は全くないはずです。
3.「人からの紹介には乗らない」と事前に決めてしまう。
それでも、
「あれだけよくしてくれた人を、無下に断るなんてできない。」
「あれだけ熱心に説明してくれたんだから、断るのが申し訳ない。」
そう考えるのも人情、というものです。
もし、ご自身がそう考えてしまいがちな性格と思うようなら、普段から呪文のように「人からの紹介には絶対乗らない」と心に言い聞かせておくのも有効です。
ちょっとおかしな方法かも知れませんが、投資はいつ勧められるか分からないもの。 事前に心の準備をしておくに越したことはありません。
友人との関係を破綻させないために
今回の報道に触れて、改めてTKOのコントを視聴しました。
(現在Youtubeでは、「TKO」で検索すると今回の事件の動画ばかりが出てきて、本来のネタ動画を探すのが大変でした。)
笑えました。 面白いです。 特に、裏口入学ネタはお金に汚い人の話で、笑えないのに笑えました。 そんな才能にあふれる人が、芸と関係ないところで話題になってしまうのは、残念の極みです。
最後に、今回の「教訓」をもう一度記します。
- 投資判断を「友人の人柄や性格」で決めない。
- 投資対象に関する内容以外の言葉に耳を傾けない。
- 「人からの紹介には乗らない」と事前に決めてしまう。
くれぐれも投資は自分で決めて、自分で判断して、を心がけたいものです。