人の決断と財産を狂わせる「ジェラシー」。 上手にコントロールするには?

人が生きていく上で、避けては通れない、人生の転機。

進学、恋愛、就職、結婚、子育て、家や車の購入、転職や起業、相続など。

これらの転機には、面倒な財産やお金の問題が絡んでくることがしばしばあります。

進学なら、教育費

就職や転職なら、給料や福利厚生

子育てなら、出産費用や医療費・給付金

家や車の購入なら、購入資金やローン

相続なら、遺産分割協議

など。

誰でも、これらを苦もなく、スキーで滑るようにスイスイとくぐりぬけたいものです。

しかし、そこには一つの壁があります。

「他人をうらやむ心」、すなわちジェラシーです。

今回は、このジェラシーをどうコントロールして、自分の人生と財産を守っていくかについて、考えてみたいと思います。

ジェラシーが無理な資金計画につながることも

たとえば、家を買うとします。

どんな基準で決めるでしょうか?

駅からの近さ、間取り、広々としたキッチン、庭が広いなど、人によって様々です。

では、その基準とは一体何でしょうか?

それが純粋な自分の心に従っていればよいのですが、そうではなく「他人との比較」が基準になっているかも知れません。

親戚や友達の家と比較して、より見栄えのする外観。

あの人が買った家より、少しでも広いリビング。

同僚を家に呼んだとき、「わたしの家より広い!」と思われるような庭。

そんな、他人との比較で家という大きな買い物を決めてしまうと、無理な資金計画を組んでしまうことにつながりかねません。

際限なく続くジェラシー

さらに家を購入した後も、比較のタネは尽きません。

家を購入して実際に住んでみると、家の中にいろんなアラが見えてきます。

(友達の家より)窓からの眺めがいいと思ったら、砂がたくさん飛んでくる。

(近所の家より)格好いいから吹き抜け階段にしたら、冬が寒すぎる。

(同僚の家より)おしゃれな戸棚を選んだら、お皿が入りきらない。

それらが積もり積もった結果、自分の家がどんどん嫌いになる。

だから、やはり無理な資金計画を立てて、新たな家に引っ越したり、リフォームをしてしまう。

何か対処しなければ、ジェラシーに終わりはありません。

では、自分の決断を、そして財産を守るためにはどうすればいいのでしょうか。

問題はジェラシー自体ではなく、その痛み

他人との比較、すなわちジェラシー。

これ自体は悪いことではありません。

人間であれば、多かれ少なかれ、感じることは普通です。

問題なのは、ジェラシーが生み出す痛みです。

他人がうらやましい。

そう感じると、自分の心が痛み、惨めになります。

だから、惨めな自分、傷ついた自分を必要以上に大きく見せて、慰めようとする。

その結果、本来の自分にはふさわしくない決断をしてしまう。

わたしも人一倍他人と比較しやすい性格。

比較のたびたくさんの痛みを味わい、不本意な決断をしてしまいました。

ジェラシーをコントロールするトレーニング

完全に、ジェラシーを克服するのは難しいかも知れません。

ですが、ジェラシーの痛みに左右されない力をつけることは、誰にでもできると思います。

わたしも、痛みを感じるたびに試行錯誤してきました。

そして、それは今も続いています。

以下は、試行錯誤の中で、わたしが実践している3つの方法です。

1.感謝できることを探す

今の自分、そして自分を取り巻く人々と環境。

例えば、住んでいる家、配偶者、子ども、受けた教育、仕事など。

何でもよいのですが、ジェラシーの痛みを感じたとき、感謝できることを探してみてください。

「この家を選ぶことができたのは、親からの資金援助があったからだな。」

「今のポジションにつけたのは、当時の上司が根回ししてくれたからだな。」

「子どもがいてくれたから、自分も童心に帰って遊べた。」

これは、結婚や離婚など、人生における重要な決断では特に有効です。

感謝の気持ちは、他人との比較でない、純粋な自分の心から生じるもの

他の誰でもない、自分だけの心からの「感謝」が、きっとあるはずです。

2.なぜ、うらやましいと感じるのかを掘り下げて考える。

「今、ジェラシーを感じた。」

その瞬間を意識して見逃さないようにしてください。

すぐに、なぜそのジェラシーを感じたのかを、深く掘り下げてみましょう。

これを繰り返すことで、そのジェラシーがなぜ起こるのかを知ることができます。

たとえば、自分より優秀なかつての同僚から、飲みに誘われたとします。

年収も高いであろうその同僚は、とびきり高いホテル最上階のバーの常連。

一方、自分は住宅ローンで家計は火の車。 誘いに乗れば一か月分の小遣いが吹っ飛びます。

しかし、断れば「給料低いんだな、余裕ないんだな。」と思われてしまう。

かつては同じスタートラインにいた同僚。それはプライドが許さない。

なら誘いに乗るしかないか。

その前に、少し深く考えてみてください。

なぜ「給料低い、余裕がない」と思われることがそんなに辛いのか。

実は給料の問題ではなく、転職に成功している同僚がうらやましいから?

それなら、自分は本当に転職して成功したいのか?

友達が人より少ないことがコンプレックスで、断れば友達をなくすから?

それなら、友達が少ないことって、そんなにダメなことなのか。

大切な友達が一人いれば十分ではないのか。

もし、その場で考えるのが苦手なら、ノートなどに書き出して、自分に何度も問いかけてみるのも有効です。

3.他人の成功を喜ぶ

わたしもそうですが、ジェラシーの強い人は、他人の成功を喜ぶことが苦手です。

それは、ジェラシーで感じる痛みから自分を守ろうとする力が強いからだと思います。

でも、冷静に考えてみてください。

他人がどれだけ成功しようが、自分の能力や価値は変わりません。

だから自分を守る必要など、本来はないはずです。

集中すべきは、他人が成功したかではありません。

他人の評価が何であれ、自分の能力や価値を高める方法を考えることです。

それならば、他人の成功を自分のことのように褒めたたえることで、自らを高める力に変えてしまおう!

そのように考えるだけでも、他人の成功を褒めたたえることはグッと楽になります。

いきなりは難しいかも知れませんが、次第に本心から他人を応援できるようになればしめたものです。

ジェラシーのコントロールは一生の課題

ジェラシーをコントロールする。

文字にするとたった14文字ですが、その実行はたやすくありません。

ただ、これだけは言えます。

人生の成功も、財産の不安から解放されるのも、いかにジェラシーをコントロールできたかにかかっていると。

わたしも、毎日チャレンジです。

一緒にがんばりましょう。

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