つみたてNISAを始めたくても始められない方へ(基礎編2):たった2種類から選ぶ
前回の記事では、つみたてNISAを始めるなら、まずはどんな銘柄(商品)でもよいので、少額1万円から始めてみましょう、とアドバイスしました。
【前回の記事はこちら】↓
これで、実際につみたてNISAを始められればよいのですが、一方で「当てずっぽうで選んでもよい」と言われると、かえって選べなくなってしまう人もいるはずです。
今日はそんな方のために、
「つみたてNISAの商品にはどのようなものがあるのか」
「どうやって選べばよいか」
についてお伝えします。
つみたてNISAの商品数は、わずか216本。
つみたてNISAの話でも聞こうと、証券会社や郵便局の窓口へ行けばどさっと渡されるパンフレット。
その中から選ぼうと思うだけで頭が痛くなりそうです。
しかし、実はつみたてNISAの商品数はそれほど多くありません。
その数は、2022年11月末現在で216本。
日本で購入できる投資信託の数約6,000本と比べると、つみたてNISAの商品数はかなり少ないです。
その理由は、政府(金融庁)がつみたてNISA用の商品に一定の規模やコスト等、厳しい基準を設けているためです。 その基準をクリアした商品だけが、つみたてNISAで購入できるわけです。
商品は大きく分けると2種類のみ。
つみたてNISAの216種類の商品には、どんなものがあるのでしょうか?
その答えは「投資信託」ですが、その種類は公募・私募投信、国内・外国など多岐に渡ります。
この時点で頭が混乱してしまいそうですが、つみたてNISAの商品分類は比較的単純で、大きく分けて以下の2つだけです。
1.「株式」に連動する投資信託 101本
2.「株式」+「他の資産」に連動する投資信託 115本
「株式に連動」と、「株式と他の資産との組み合わせ」の意味は?
それでは、「株式」に連動する投資信託とは、どんなものでしょうか?
実は、ここでいう「株式」とは、トヨタやSONYなどの単一銘柄ではなく、日経平均やTOPIXなど、株式市場に上場している株式の集合体です。
この集合体の値動きに連動する投資信託こそが、「株式」に連動する投資信託です。
一方、「株式」と「他の資産」の組み合わせとは、その名の通り、株式に他の資産を組み合わせた投資信託です。
組み合わされる資産は、不動産投資信託(J-REIT)や債券が中心ですが、商品によって、組み合わせ比率に違いがあります。
どちらのタイプを選ぶべき?
それでは、つみたてNISAを始めるに当たって、この2種類の内、どちらを選べばいいのでしょうか?
厳密には、この2種類はさらに「国内か海外か」、「連動する指標は何種類か」、「積極型か安定型か」などに分類でき、その結果によって向き・不向きが変わってきます。
しかしこの記事の目的は、つみたてNISAの第一歩を躊躇している方に踏み出して頂くことですので、とりあえず細かい話は抜きにしましょう。
まず、「株式」に連動する投資信託に向いている方は、こんな方です。
● ニュースなどで値動きを日々知っておきたい人。
● 自分で他の投資信託と組み合わせて運用したい方。
● 有名な指標に連動する安心感を得たい方。
日本の株式市場における日経平均(日経225)やTOPIX、アメリカの株式市場ではダウ平均やS&P500などは、ニュースでもおなじみです。
指標の動きを追うのは難しくないので、これらの指標に連動する投資信託を購入しておけば安心、という方や、自分で株式以外の資産と連動する投資信託と組み合わせたい人などにお勧めです。
一方、「株式」+「他の資産」に連動する投資信託に向いている方は、こんな方です。
● 日々値動きを見なくてもよく、放置しておきたい方。
● いろんな資産に投資したいが、自分で組み合わせるのは面倒。
● リスク分散させて投資したい。
投資信託も初めて、つみたてNISAも初めて、という方は、こちらから始めた方がよいかも知れません。
こちらは一つの投資信託で複数の資産に投資するリスク分散効果を得られる上、分散の方法によって、値動きを押さえた安定型と、リスクは高めだが利益を追求できる積極型など、選択肢も豊富です。
最後に(次回予告)
今回は、つみたてNISAを2種類に分類して、そのどちらを購入すべきか、についてお伝えしましたが、次回は、具体的な商品を見ながら、より実践的な内容でお届けする予定です。