日本の若者の投票率は60代の半分以下。ではアメリカでは?
7月10日に投開票が行われた参議院選挙。
大方予想されていた通り、結果は与党の圧倒的勝利で終わりました。
これにより岸田総理は、2025年までの「黄金の3年間」を手に入れ、政権は安泰、とも言われていますが、一方で、今後の政治課題は山積み。
憲法改正、物価高対策、中国やロシアに対する国防予算、(特に日銀の黒田総裁退任後の)金融・財政政策など、日本の未来を左右するような重い決断が待っています。
これだけの課題が待っていると考えると、自分の一票もおろそかにできない。
そう考えていつも以上に気合を入れて投票しましたが、どうやら今回も10代の投票率は振るわなかったようです。
今回の10代の投票率は34.49%。 前回から若干上がったとはいえ、60歳代の投票率(前回71.43%、今回はまだ公表前)と比べると、実に半分以下。
もう少し上がるかと思っていましたが、残念です。
今回の参院選は、以前にも増して若者の投票率を上げよう、という試みが多く見られました。
YoutubeやCMで、多くの芸能人が「投票に行こう!」と若者に呼び掛けていたり、候補者自らが、若者に投票を促したり。
中には選挙ポスターに「バカこそ投票しろ!」という挑戦的なメッセージを書いている人も。
極めつけは、投票日の5日前に出た、こんな新聞記事です。
「若年世代の投票率、1%低下で7.8万円損」(朝日新聞)
その内容を簡単に説明すると、
投票率と将来若者世代が背負うことになる国の借金(国債)、そして年金や健康保険などの社会保険との関係を調査したところ、投票率が下がるごとに、国債の発行額は増え、若年世代への給付(出産手当や児童手当)よりも、老年世代の給付(たとえば年金や介護費)が優先されてしまう、という傾向が明らかになった、というもの。
調査内容は(研究者自身も認めているものの)単純化されすぎているきらいがあるものの、それでも投票率と「お金」を直接結び付けた点はとても評価できます。
「これなら高校生や大学生でも分かるはず。」と思ったのですが、若者の投票率を上げるのは簡単ではないことが今回の選挙でよく分かります。
ちなみに、こちらのサイトによると、アメリカの世代別投票率は18歳~24歳が48%、65歳以上が71.9%。
「やっぱり、アメリカの若者の方が政治に関心を持っている!」
と紋切型に考えたくなりますが、過去の投票率を見ると、22年前の2000年はそれぞれ32.3%と67.6%。
あれ、今の日本とそっくりではないですか!
選挙年齢が18歳に引き下げられた2015年からまだ7年。
アメリカは20年以上かけて少しづつ若者の投票率を上げていったのを考えると、若者の投票にも、長い目が必要のようです。
それでも、投票は絶対大事。
「自分の1票なんか大したことない。」
「投票しても、自分の候補者が当選するはずない!」
なんて思わないで下さい。
若者であるあなたが投票したこと、それこそが政治に大きな重みを与えるのです。