投資信託で成功する方法:「分配金をいつ受け取るか」を決める(前編)
「投資をしてみようかな?」
その選択肢の一つとして「投資信託」を思い浮かべる方は多いと思います。
では自分にとって最適な投資信託を選ぶために、何を決めればいいのでしょうか?
いくつかある「決め手」の一つとして、今回は「分配金を受け取るタイミング」について、解説します。
この選択が場合によっては投資信託の運用成績を左右します。
気になる方は、必見です。
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そもそも「投資信託」とは何か?
投資信託の分配金とは何か、ご存知でしょうか?
ご存知ない方のために、まずは「投資信託とは何か」から始めてみましょう。
投資信託とは、その名の通り、私たち投資家が資金を運用会社など「運用のプロ」に信じて、託す行為です。
この「信じて、託す」には、大きく分けて以下の3つのプロセスがあります。
① さまざまな投資家が「投資信託」に投資する(購入する)
② 集まった資金を「専門家」が運用方針に従い、株式や債券などに投資する。
③ 株式や債券などの運用成果が出れば、投資家に「分配金」が支払われる。
つまり、①投資する、②専門家が運用する、③成果を投資家に還元する。
この3つが、投資信託の基本的な流れです。
そして分配金とは、③成果の還元に当たります。
この①~③を図にしたものが以下になります。
投資家が出したお金が、分配金として還元される仕組みが理解できるかと思います。
なぜ、投資信託から「分配金」が生まれるのか?
投資信託の「分配金」をより具体的にイメージできるよう、もう少し解説します。
架空の例を用いてみましょう。
たとえば「Aファンド」という名の投資信託が売られていたとします。
投資家のYさんは、証券会社でたまたま「Aファンド」のパンフレットを手に取りました。
この「Aファンド」のパンフレットを読むと、集めた資金を「運用の専門家」がどのように運用するか、という「運用方針」が以下のように書かれています。
国内株式: 50%
海外債券: 50%
「Aファンド」に魅力を感じて投資を決めたYさんは、資金1,000万円を証券会社に振り込みました。
すると「運用の専門家」は、さっそくこの1,000万円を運用方針に従って、以下のように配分します。
株式: 500万円
債券: 500万円
さて、それから1年後。
株式と債券からは、以下の収益が生まれました。
債券: 30万円(内訳: 利息10万円、値上がり益20万円)
運用会社は、この収益から運用や事務に関するコストを差し引いた上で、残りの収益の50%(30万円)を、「分配金」として投資家Yさんに支払いました。
これが、ざっくりとした分配金が支払われる仕組みです。
なぜ「分配金を受け取るタイミング」が重要なのか?
投資信託には、「投資する商品の組み合わせ」、「運用方針」、「連動する指標」などさまざまな違いがありますが、その中の一つが「分配金を受け取るタイミング」です。
それはすなわち、1年の内何回受け取るか、または全く受け取らず分配金を再投資するか、ということです。
現在売られている投資信託の中では「年1回」が最もポピュラーですが、「毎月」、「年2回」などのバリエーションがあります。
それでは、なぜこれらの「分配金受取りのタイミング」が投資信託を選ぶ際に大切なのでしょうか?
それは、投資信託の運用成績に違いが出る、ということです。
具体的には、分配金を受け取る頻度が高いほど、収益が低くなる可能性があります。
たとえば、「年1回」受取型よりも、「毎月」受取型の方が収益が低くなる、ということです。(必ずそうなる、ということではなく、あくまで可能性です。)
では、なぜ「毎月」受取型の方が収益が低くなるのでしょうか?
その理由は主に、
1.分配金を複利で運用できない
2.タコ足配当のリスク
の2つです。
【次回予告】
次回は、「毎月受取型」と「年1回受取型」の投資信託を比較しつつ、
- なぜ「毎月受取型」の収益が低くなるのか?
- 近年登場した「予想分配金提示型」の投資信託とは何か?
について、詳しく解説します。
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